2019.08.01.thu

D.I.Y×グリーン商材

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ハンドメイドグリーンが人気の理由とは?

室内グリーン商材には、観葉植物、ドライフラワー、アーティフィシャルフラワー、ハーバリウム、テラリウムなどがある。その中で、近年人気が高まっているのがハーバリウム・テラリウムといったハンドメイドグリーンだ。

人気の理由は、オリジナルグリーンを作れるキットやワークショップの充実にある。

ハーバリウムにおいては、2017年の「一般社会法人日本ハーバリウム協会」の設立が今のブームに大きな影響を与えた。花のみずみずしさを長期間持続できるハーバリウム液の改良や制作体験を全国展開したことで「飾るまでの工程を楽しめる」という、今までのグリーンにはない体験型の売り方を確立したのだ。

テラリウムもハーバリウム同様に、小さなガラス容器の中に植物を自ら飾ることができる体験型グリーンである。ハンドメイドグリーンは、「モノ消費ではなくコト消費」と言われる現代の消費者ニーズと合致しているのだ。

MONTAGE.21でも消費者ニーズと合致したグリーン商材が展示されていた。今回は、ハンドメイドグリーン商材とその売り方について紹介したい。

新たな顧客をつかむ、メーカーノウハウを活用したサービス

URBAN GREEN MAKERS

ボタニカル・フラワー業界を牽引する日比谷花壇が手がける新ブランド「URBAN GREEN MAKERS(以下UGM)」がMONTAGEに初出展していた。

宮城県石巻市出身である新田拓馬氏が東日本大震災をきっかけに立ち上げた当ブランドは、ハーバリウム、テラリウムキット、グリーンアートキットなどを展開し、1キット販売につき緑の必要な被災地へ新しい緑を1つ贈るという取り組みをしている。

独特のユーモラスで個性的なデザインと、社会貢献にもつながるというコンセプトは共感を得やすく顧客への訴求力が高いと言えるが、さらにUGMの強みはその「売り方」にある。

具体的には、ボタニカル・フラワー業界で蓄積したノウハウを活用したワークショップイベントの企画・開催、植物のトレンドや季節に合わせた売り場の提案とロスの少ない売り場の提案、さらにノベルティー商品の開発をメーカー側から積極的に行っているのだ。

URBAN GREEN MAKERS
一番人気のGREEN ART KIT(グリーンアートキット)。ワークショップイベントの開催も可能。
URBAN GREEN MAKERS
必要な材料がセットになっているので、自分だけのグリーンアートを手軽に作成できる。

植物の専門知識のないセレクトショップは「ナマモノ」であるグリーン商材を取り扱うことに抵抗があるかもしれないが、メーカーとタッグを組み、そのノウハウを活用して集客施策になるイベントや顧客満足を高められるサービスを提供していくことで新たな売り上げを生み出せるのではないだろうか。

ギフト需要も狙えるグリーン商材

近年、見た目の華やかさや贈りやすいサイズ感から、花束代わりのギフトとしてもハーバリウム・テラリウムの需要が高まっている。

ハーバリウム・テラリウムの既製品とDIYキットを取り扱うTERRA LABの商品は1,500〜3,500円のものが多く、初めてグリーンを取り入れる顧客にとって手が出しやすい価格であると同時に、カジュアルギフトにも最適な価格だ。
母の日・誕生日・送別餞別などのギフトを求めている顧客にラッピング例を展示したり、既存のインテリア商材と組み合わせて提案したりするのは効果が見込めるのではないだろうか。

TERRA LABも依頼をすればテラリウム、サボテン・多肉植物の寄せ植え、ハーバリウムのワークショップをセレクトショップ内で開催・運営してくれる。例えばだが「母の日に、手作りテラリウムを贈ろう」などと銘打ってハンドメイドグリーンの提案とギフト提案を同時にすることも可能だ。加工植物は既製品もDIYキットも多様なアプローチができる。

さまざまなハンドメイドグリーンのワークショップをセレクトショップ内で開催することも可能。
テラリウムや寄せ植えはギフト提案にも最適。

集客とPR効果を意識した、ハンドメイドグリーンの売り方とは?

これまで企業にとってWEBマーケティングはSEMが主流だったが、ソーシャルメディアを使って情報を得る人が急増したことで「SNSマーケティング」に力を入れる企業が増加している。

消費者目線の情報は、企業側からの広告よりも信頼性の高い情報だと認識されるため、SNSマーケティングの成功により自社サイトのアクセス数増、新規顧客獲得、リピート率向上などの効果が出やすいのだ。

ハンドメイドグリーンのワークショップはSNSとの相性が非常によく、イベント後の宣伝効果が期待できるだろう。なぜならモノ自体の写真映えはもちろん、「参加してみた」「作ってみた」「飾ってみた」など、SNSユーザーが発信したくなる体験・体感に基づく情報とSNSユーザーが求めている消費者目線の所感を多く含んでいるからだ。

SNSでも人気の高いスワッグやリース作りのワークショップ

ワークショップの開催が難しいセレクトショップでも、SNSでの宣伝と集客を意識した売り場を作ることは可能だ。
近年、フォトブースを設けているイベント会場や商業施設が増えているが、これはSNSでの宣伝と集客を狙ったものだ。

セレクトショップでも、既存商品を組み合わせたインテリア空間をフォトブースのように利用したり、ユニークな商品や販促POP、シーズンイベントに合わせたアイテムを用いてフォトスポットを設けたりすることができるのではないだろうか。

「モノ消費ではなくコト消費」と言われるように、顧客を楽しませる「コト」が効果的なPRとなり、結果として「モノ」の販売に繫がっていく。

掲載ブランド紹介

株式会社アライサンズ
TERRA LAB

暮らしに花や植物を取り入れたボタニカルライフや、新しい植物の楽しみ方を提案しグリーンインテリアとしてのシーンを確立しつつあるテラリウムをメインとしたブランド。現代のニーズやライフスタイルに合うモノづくりを心がけ、使用する素材選びから慎重に、心を込めてひとつひとつ丁寧に手作りしている。

主なアイテム: テラリウム、サボテン、多肉植物、ハーバリウム、スワッグ、ドライフラワー、プリザーブドフラワーなど

公式Instagramはこちら
https://www.instagram.com/terralab/


株式会社日比谷花壇
URBAN GREEN MAKERS

ライフスタイルに合わせてカスタマイズできるボタニカルインテリアブランドとして、ボタニカル・フラワー業界を牽引する日比谷花壇が手がける新ブランド。1つの商品を購入されるたびにアフリカへ1本分の苗木を支援している。

主なアイテム:GREEN ART KIT、TERRARIUM KIT、GLASS BOTTLE HERBARIUM、WOOD BOX HERBARIUMなど

公式ホームページはこちら
https://www.ugm.tokyo/

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