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DESIGNART TOKYO 2019まもなく開催!注目コンテンツは?

2017年に始動した日本最大級のデザインとアートの祭典 〔DESIGNART TOKYO (デザイナート・トウキョウ)〕 が今年もまもなく開催される。世界屈指のミックスカルチャー都市である東京を舞台に、世界中からアート・インテリア・ファッション・テクノロジーなどさまざまなジャンルのモノやコトが集結し、都内各所で多彩な作品を発表するグローバルスタンダード規模のB to C向けのイベントである 。

MMD TIMES取材班は、DESIGNART TOKYOの発起人で代表を務める青木昭夫氏のもとを訪れ、国内外からも注目を集めるDESIGNART TOKYOについて、発起人の想いやこれまでの歩み、B to B目線での見どころ、今後の展望などを詳しく聞くことができた。

今回は、「DESIGNART TOKYO 2019 の注目コンテンツ」と「DESIGNART TOKYOの発起人の想い」について、2週にわたってDESIGNART TOKYOの魅力をお届けしたい。

DESIGNART TOKYO (デザイナート・トウキョウ)とは?

DESIGNART発起人
DESIGNART TOKYO 2019
http://designart.jp
2019年10月18日(金)~10月27日(日) 
会場:表参道・外苑前/原宿・明治神宮前/渋谷・恵比寿/代官山・中目黒/六本木/新宿/銀座 
DESIGNART 発起人:永田宙郷(EXS)/川上シュン(artless Inc.)/青木昭夫(MIRU DESIGN)/アストリッド・クライン(Klein Dytham architecture)/マーク・ダイサム(Klein Dytham architecture)/小池博史(NON-GRID/IMG SRC) 
※DESIGNART TOKYO 2019の会期は既に終了しています

東京の街全体がミュージアムになる10日間

DESIGNART TOKYO 2018 開催時の様子

DESIGNART(デザイナート)とは、デザインとアートを横断する、感動を与えてくれるモノやコトを新たに定義した言葉で、その素晴らしさを発信、共有していくための活動である。

近年、デザインとアートが密接に絡み合い、横断するモノが世界的なムーブメントとなるなか、世界の良質な伝統産業やものづくりの現場が生き残っていくうえでも、それら固有のアイデンティティをデザインやアート、アイデアで明確にし、世界中の”Emotions”を求めている人へ伝える力が必要だと、DESIGNART(デザイナート)は考えた。

120以上のデザインアートコンテンツが、東京の11拠点に同時展示され、来場者数のべ20万人を誇る日本最大級のデザインとアートの祭典 〔DESIGNART TOKYO (デザイナート・トウキョウ)〕 は、 “Emotions~感動の入り口~”をコンセプトに、世界中の感動をもたらしてくれるデザイン&アートなモノ・コトを提供するイベントだ。このイベントを通じて デザインやアートと同じレベルで使う一般用語として「DESIGNART」という言葉を浸透させること、そして生活をより豊かに彩ることを目指し、「DESIGNART」を世界に広めるためのサステイナブルな活動を行っている。

DESIGNART TOKYO 2019の見どころ

DESIGNART TOKYO 2019の一番の見どころは何ですか?

− 主催者コメント:今年のメインコンテンツは、「1 % for Art」です。アメリカやヨーロッパでは当たり前になっている“ 公共建築の建設費の1%を、その建築物に関連・付随する芸術やアートのために支出しよう ”という制度を、日本でも法制化を促すために 多彩なプロジェクトを展開していきます。

今回「1 % for Art」の核であるDESIGNART FEATUREでは、香港発のクリエイティブチーム Design Pier がアジア全域からキュレーションしたアーティストによる独創性の高い多様な作品の展示を行います。

DESIGNART TOKYOの魅力について語る青木氏

− 主催者コメント:台湾や韓国などアジアの一部地域でも導入されている「1 % for Art」の制度を日本でも導入できれば、クリエイティブを発揮しやすい環境になり、若手クリエイターにチャンスが巡ってきたり、もっとチャレンジングな建築がつくれたり、活性化されることで産業が好循環になると思うんです。

韓国で「1 % for Art」の考えが浸透したのはソウルオリンピックがきっかけでした。
日本も2020年に東京オリンピックを控えていますので、今回の DESIGNART TOKYO 2019での「1 % for Art」を促す活動をはじめとして、社会全体でアートを支える文化を成熟させ、日常的にアートを享受できる、愛でることができる社会にしていきたいですね。

香港発のクリエイティブチーム Design Pierとはどんな方々なのでしょうか?

− 主催者コメント: Design Pier は、香港を拠点にワールドワイドな活動を行っているキュレーションチームです。設立者のZsofia Ilosvai(ゾフィア・イロスヴァイ)さんは、世界各国でデザインやアート関連の展示会、イベント、講演などの企画に携わる多文化経験を持つハンガリー出身のキュレーターです。
日本をはじめ香港、シンガポール、タイ、インドネシア、パキスタンなどから今後その国を代表するような活躍が期待されるクリエイターの作品が集まります。

作品に触れることで、欧米文化ばかりを追ってきた世の中に、今はデザインとアートに関してアジアが一番活発なんだということを感じてもらえたらと思っています。会期中には全てのクリエイターが会場にいますので、ぜひ出展者との出会いも楽しんでもらいたいですね。

ZSOFIA ILOSVAI/ゾフィア・イロスヴァイ
ハンガリー出身のキュレーター、Zsofia Ilosvai(ゾフィア・イロスヴァイ)さん
DESIGNART FEATURE 1% for Art EXHIBITION
curated by Design Pier
http://designart.jp/designarttokyo2019/exhibitor/designartfeature/
出展者:A Space, Alvin T, Apical Reform, Bingqui Lee, Coalesce, Gabriel Tan, H220430, Hans Tan, Jarrod Lim, Jatra, Karina Sukar, Masaya – Apiwat Chitapanya, Nissa Kinzhalina, Shigeki Yamamoto, Studio Juju, Teerapoj Teeropas, Tiffany Loy, Vu Hoang Anh
会場:ワールド北青山ビル
MAPはこちら

DESIGNART TOKYO 2019のパートナーカントリーが「イスラエル」の理由

なぜイスラエルが今年のパートナーカントリーになったのでしょうか?

− 主催者コメント: 2018年はパートナーカントリーにスウェーデンを選出しました。スウェーデンと日本が外交関係樹立150周年という節目だったため、150年のデザインとアートの歴史に触れるべくスウェーデンの家具やアートの展示や、独創性豊かなスウェーデンの若手気鋭デザイナーの作品を発表しました。 今年イスラエルをパートナーカントリーに選出したのは、我々には足りない要素を 持っている“学ぶべきことが多い国”だと感じたからです。

イスラエルは国民の約8割がユダヤ教徒で、「失敗を恐れない精神」「社会循環」の考え方が根付いています。どこか外国で得た知識や技術を自国へ持ち帰り、社会の発展へ繋げていくことが当たり前となっているため、新しいことに挑戦するときのファンドシステム・スタートアップの体制が整っています。ドローンや自動運転などのテクノロジーの発祥の地もイスラエルなんですよ。

インバウンドとアウトバウンドを繰り返して形成されたイスラエルの文化・ミクスチャーデザインは、編集力が素晴らしいと感じています。例えばアート作品を見たときに、表現が高尚すぎていたりして何を伝えたいのか作品の意図が理解できないことってありませんか?その点イスラエルのエルサレムデザインウィークで出展されていた作品群には、“ わかりやすさ ”が際立ったものが多いのが特徴です。 老若男女誰が見ても「わ!すごい!」と感動できるわかりやすい編集がなされています。なので、今回DESIGNARTでイスラエルのデザイン・アートに触れることで、アートへの親しみを感じていただけるのではないかと思います。

Jerusalem Design Week at DESIGNART TOKYO
http://jp.jdw.co.il/ja/
会場:青山 スパイラル・神楽坂 AYUMI GALLERY

B to B ビジネスマッチングの可能性

セレクトショップバイヤーやショップスタッフにとってのDESIGNART TOKYOの魅力って何でしょうか?

− 主催者コメント: 既製品には無いような感動するモノを仕入れられる可能性があることだと思います。オープニング・クロージングパーティでは人種や業種を超えた出会いができ、新しい繋がりが生まれるでしょう。

会場では、B to B向けのコンテンツを特段用意しているわけではないのですが、皆さんの交流によってビジネスに繋げられるような環境を作っています。例えば、出展作品にはプライスをつけてもらうように声かけをしています。なので、会場で気に入る作品があればその場で仕入れの相談をしていただくこともできます。たとえその作品が一点モノ・限定モノだとしても、その一点を仕入れることで店舗が華やかになったり、店舗の編集が独創的になったりすると思うんですよ。

「仕入れられるモノ」を探す視点で会場を回って欲しいですね。DESIGNART TOKYOは東京11拠点で開催しているので、何日間かかけて回っていただくと、より多くの出会いや発見ができると思います。

インタビューにお答え頂き、ありがとうございました。

これからのビジネスを発展させる出会いがあるイベント

今回のインタビューを通して、DESIGNART TOKYOは、デザインとアートを介することで、人と人とがボーダレスに繋がれるイベントだと感じた。

心からいいなと思える商品や人との出会い・つながりは、必ずビジネスに活きてくる、と青木昭夫氏は言う。

日本人特有の謙虚さや礼儀正しさは素晴らしい文化だが、人と人との繋がりを構築するときやビジネスシーンにおいて“遠慮がち”であり、積極性に欠けてしまうことがある。DESIGNART TOKYO 2019のパーティーや展示会場では、ぜひ遠慮せずに多くの人と積極的にコミュニケーションをとって欲しい。

次回の「DESIGNART TOKYO 2019 Vol.02 〜DESIGNART TOKYO の発起人の想い〜」では、“ 30年続けていきたい ”と語る青木昭夫氏から伺ったDESIGNART TOKYOの活動を始めた背景や、理念・今後の展望などを詳しく紹介する。

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