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新たなインテリアのプラットフォーム

「良いモノを長く使おう」。

大量生産・大量消費からSDGsへ企業やユーザーの価値観が変化してきたここ数年、よく耳にするフレーズである。

それはすなわち、製造業も小売業も今までのビジネスモデルを見直し、新たなサービスや販路を開拓する必要があるということだ。

人口減少や生活習慣が変化していき、かつユーザーがひとつのモノを長く使い、商品のライフサイクルが伸びつつある。

消耗品の取り扱いが少ないライフスタイル業界では、多くの企業が今までと同じようモノを作って売るだけでは、単純に売上が減少していくことは必至だろう。

そんな中、アウトレット・リユース家具の会員制シェアマーケットという新たなサービスが登場した。

MMD TIMESでも過去に「セレクトショップとサブスクリプション」という記事で紹介した、家具のサブスクリプションサービスを展開する株式会社subsclife (サブスクライフ)の新規事業subsclife SHARE (サブスクライフシェア) である。

これからの時代に合ったインテリアのサービスのカタチとは何か、メーカーに良いモノを作り続けてもらうためのビジネスモデルとはどのようなものなのか、subsclifeの代表を務める町野 健 (マチノ ケン) 氏に話を伺った。

subsclife SHARE (サブスクライフシェア)
https://share.subsclife.com/
㈱subsclifeが運営する、アウトレット・リユース家具の会員制シェアマーケット。メーカーアウトレット家具、展示家具、リユース家具などを企業間で売買できる。

いいモノを長く使う社会の実現

subsclife SHAREとは?

−町野氏コメント:いいモノを作っても、相対的にモノが売れにくいのが家具業界の現状です。

家具メーカーは余剰在庫を消化しきれない為、状態がよいにも関わらず廃棄・処分の選択肢を取らざるを得ない場合がある。

そこに目を付け、余剰在庫を直接出品することで廃棄を削減し、いいモノを利用したい法人や個人がサイト上で直接取引が可能となり、アウトレット・リユース価格で質の高い家具を購入できるサービスを作りました。

立上げた経緯は?

−町野氏コメント:”いいモノを長く使う社会づくり”をメーカーと共に実現させたいという想いから今年2021年1月に立ち上げました。

今までのビジネスモデルだと、「ユーザーが良いモノを長く使うこと」と「メーカーが良いモノを作って健全に売上を立て続けること」を両立させることはなかなか難しい。

シェアリングエコノミーによる中古品売買なども普及していますが、メーカーがモノの収益を得られるのは初回の販売時のみです。

subsclife SHAREでは、いいモノが長く利用されることによる提供価値として、2回目、3回目の売買が行われた場合、メーカーに収益の一部をシェアする仕組みにしたんです。

継続的にメーカーへキャッシュが流れる仕組みにしたことで、積極的に出品をしていただけるようになり、双方にとって良い関係性を築くことが出来て、今では非常に評価をいただけるようになりました。

subsclife SHAREが厳選するアイテム

出品アイテムについて教えてください。

− 町野氏コメント:取り扱いジャンルはインテリア関連アイテムが中心で、家具、照明や雑貨を展開していますが、今後はサブスクの方で扱いのある家電まで広げていきたいですね。

現在500アイテムくらいが出品されていて、在庫としては1000点を超えています。出品者は審査を行い、メーカーや品質の高いリユース家具を提供できる60社の企業とパートナーを組んでいます。

− 町野氏コメント:それらのパートナー企業の商品の中で、まずは既存事業であるサブスクリプションで返却されたアイテムからスタートし、今ではメーカーの展示品、型落ち品、多少の傷でクレームになって返却された品を徐々に増やしている状況です。

人気の商品は?

− 町野氏コメント:今はやはりテレワークをするユーザーが増加したことで、ワークチェアやデスクがダントツで人気です。

− 町野氏コメント:直近の人気は、北欧の名作家具FDB Mobler (エフディービー モブラー)です。家中時間をよりよくしたいと考える方が増えており、北欧家具の中でも長年愛されているダイニングチェアが非常に注目されています。

その他、収納や照明なども好調に売れていますね。

文化を変えるプラットフォーム作り

今後チャレンジしたいことは?

− 町野氏コメント:元々日本はインテリア後進国。北欧は寒いから家の中にいる時間が長く、インテリアが発展しましたが、日本はそもそも他国と比較すると部屋が狭く人を家に呼ばない文化なので、家に手を掛ける人が少なかったんです。

でも、コロナショックをきっかけに家にいる時間が長くなり、インテリアに対して興味を持つようになったことでオフィスの在り方も変わりました。

この人々の価値観が変化するタイミングで、インテリアをサブスクリプションで購入したり、企業間シェアをするといった今までにないインテリアとの関わり方を浸透させたいですね。

− 町野氏コメント:良い商品が2次利用、3次利用とされることは環境にも生産者にも、エンドユーザーにも良いこと。いいものを長く色々な方に使っていただきつつ、廃棄も少なく、生産者にも還元される社会を作るには、まず「場」を作ることが必須です。

我々はその「場」を提供するプラットフォーマーとして、新しいサービスを生み出していき、日本のインテリア文化を変えていきたいと考えています。

インタビューにお答え頂き、ありがとうございました。

つながるビジネスの可能性

良質な素材で造られたものは、自分の手を離れても次に大切にしてもらえる人の手に渡り、修復してまた使い続けられる。ヨーロッパ圏にはそんな「古いものを大切にする文化」が当たり前にある。

そして古くなった家具を修理する職人も多く存在し、持続的にビジネスが循環している。

subsclife SHAREは、まさに今の日本の地域性に合わせた、これからのインテリア業界の循環サイクルを提案していると感じた。

そして彼らの様に、業界や組織の垣根を超えた連携を積極的に進めて、新たなビジネスチャンスを生み出すなどの、チャレンジ精神のある企業やブランドを今後も取り上げていきたい。

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