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「ネオスタイル」に込める想い

ニューノーマルな合同展示会のあり方とはどのようなものなのか。MMDでは「展示会MAG.とオンライン展示会MAG.+」「DESIGNART TOKYO 2020」などコロナ禍で開催を行う展示会に注目してきた。

「MONTAGE (モンタージュ) 」もそのひとつ。セレクトショップに向けて毎年開催されている同展示会、前回は2020年10月のコロナ禍に「MONTAGE.24th」が開催されている。関係各所からの評判はよく、ポジティブな意見を耳にした業界関係者も多いのではないか。

緊急事態宣言下の2月は、ライフスタイル業界の中でも重要な合同展示会が多く開催予定であったが、その約半分は緊急事態宣言により中止や延期を余儀なくされた。

もちろんMONTAGEも例外ではなく、2月の開催予定を見送り3月開催への延期を決定した。今回はそのMONTAGE主催者3名を対象に「MONTAGE.25th」について取材を行った。

前回の手応えや次回への期待、また、コロナ禍でさらに急速な成長が求められるであろうオンライン展示会のあり方など、今ならではの取り組みを中心に話を伺った。

[座談会メンバー]
中島良氏(写真右上):「MONTAGE」全体統括 ライフスタイルブランド「BRID」で営業や企画・製造管理も行う / 篠崎聡氏(写真左下):「MONTAGE」空間演出 セレクトショップ「efim」運営  他、卸や企画コンサルタント業も行う / 稲葉健浩氏(写真右下):「MONTAGE」運営 INITで卸や企画コンサルタント業も行う
[MONTAGE] 
モンタージュ

「BRID」「efim」「INIT」が主催するセレクトショップを対象としたBtoB向け合同展示会。インテリア、グリーン、アウトドアの3つのカテゴリーを中心に、売場の空間づくりも含めたトレンドを発信している。これからのライフスタイルのトレンド創造の場として、カテゴリーの垣根を越えた、新しい視点が発見できる。

合同展示会:MONTAGE 25th
開催期間:2021年3月23日 (火) ~3月25日 (木)
会場:東京ポートシティ竹芝4F 産業貿易センター
https://montage-express.jp/

最新テクノロジーを駆使した会場

まずは今回のテーマを教えてください。

− 稲葉氏:「ネオスタイル」というテーマを掲げました。ニューノーマルが謳われる今、新しいライフスタイルの提案にフォーカスしたいと考えています。

−篠崎氏:モノに対する向き合い方は変えることなく、一方で変化を求められている今だからこそ、MONTAGEが定義するニューノーマルとは何かをしっかり表現していきたいよね。それは大きな変化じゃなくて些細なものかもしれないけど、そこを逃さずキャッチしていきたい。

前回から変わった点はありますか?

−中島氏:久しぶりに会場を変えました。MONTAGE最大規模の会場です。「Tokyo Portcity Takeshiba」という2020年9月オープンの新しい建物で、AIを駆使した次世代型のビルなんです。

空調の最新設備が整っていたり、来場者の動線を観測してくれたり、次世代テクノロジーが詰まっています。今回はコロナ禍での開催ですし、最適な会場を選びになったと思っています。まさに会場自体もネオスタイルに適した場所になっているので、注目してほしいですね。

開催への使命感と感染症対策

コロナ禍での開催とのことで対策は?

−中島氏:先日、1都3県の緊急事態宣言延長が発表されましたね。MONTAGEは緊急事態宣言明け直後の開催ということになります。気を緩めず、徹底した感染対策を行います。コロナ禍での開催は2度目ということもあり、前回の経験を踏まえて対策していきたいです。

−稲葉氏:前回は初めてのことが多くて、とにかく時間を割いて話したよね。ブースの配置や密を避けてのスムーズな動線計画はもちろん、関係各所へのコンタクトも大変でした。多くの合同展示会が中止を決定していく中で不安もありましたが、実際に開催してみると、出展者・来場者ともに展示会を待ち侘びていたことがわかって、開催してよかったと思いました。

MONTAGEはコロナ禍でニーズのあるインテリアやアウトドアといったカテゴリのプロダクトが多く見られる展示会なので、会期前からも「開催してほしい」という声はたくさんありました。

−篠崎氏:ライフスタイル業界にとって、新商品を披露する場やマッチングの場がないことはデメリットでしかないので、開催することに対する使命感はありましたね。

−中島氏:特に家具・インテリアは触ったり座ったりと質感を伝えられる場が絶対必要ですが、2月の合同展示会はいくつかの展示会が開催を見送ったと聞いています。MONTAGEも今回は開催時期をずらして延期という形を取りましたが、業界や出展者のためにもやはり“開催”を前提に運営したいですね。

「開催しない」と決断することは簡単なので、「どうしたら開催できるのか」を追求していきたいです。

今回の開催に期待できること教えてください。

−稲葉氏:前回の開催で感染症対策の徹底やコロナ禍での出展ラインナップを評価いただき、反響は大きく、今回は過去最大の出展応募数となりました。キャパシティには限界があるため、残念ながらご応募いただいた全ての方に出展いただくことは難しいのですが、今回のネオスタイルというテーマにマッチした企業が多く出展するので見応えはあると思います。

−中島氏:出展者の構成はとてもいいよね。こだわりのあるモノづくりをしている、想いの強いメーカーが揃っていると思います。MONTAGEがこれまで積み上げてきた世界観が認識されつつあるので、出展希望のメーカーの質もどんどん良くなっています

会場規模と比例して質も上がっているのはいいことですね。通常、会場規模が大きくなれば、運営側の管理や出展者とのコンセプトの擦り合わせがうまくいかないなどでどうしても質が劣りがちです。ただ、MONTAGEは確実に合同展示会として全体的な成長が実感できる。我々がこれまで行ってきたことは間違いではなかったんだと認識できました。

−篠崎氏:感染症対策を考慮することで演出に制限が掛かるけど、動線計画や高揚感を持てる会場構成になったと思います。

オンラインとオフラインの相互作用

「MONTAGE ONLINE」について教えてください。

−中島氏:プレオープン期間を経て、前回の開催時に正式にオープンしました。リアルへの誘導はもちろん、来場者には予習復習ツールとして活用してほしいですね。

オンラインの方の会期を長く設けているのにはそういった理由があります。オンラインで予習して、展示会会場で見たり触ったり実物を体験して、後日またオンラインで復習できる。

まだまだ改修は必要ですが、オンラインとリアルどちらかが成長するということはなく、お互いによりよくしていくことでの相互作用を高めていきたい。

MONTAGE.ONLINE 
開催期間:2021年2月1 (月) ~2021年5月31日 (月)
https://granstra.com/ssr/exh/tha2hzekcr66ke4xiU5v

篠崎氏:とはいえ、このコロナ禍でどうしても会場に足を運べない人や地方の方々もいますよね。今は特に「行く・行った」と発言することすらリスクになる世の中だし。そういう方にはオンラインを活用してもらって、実際に来場するのと同じような体験をしてもらえたらいいなと思います。

インタビューにお答え頂き、ありがとうございました。

「四方良し」の展示会のあり方

今回は会場を変え過去最大規模というMONTAGE.25thは3月23日(火)〜3月25日(木)までの3日間。会場も話題の場所とだけあって、街づくりの視点でも新たな発見が期待できる。

また、今回取材をした主催者3名のルーツにも注目したい。ショップ、メーカー、チェーン店と三者三様。MONTAGEが時代に合った出展社の選定だけではなく幅広いジャンルのセレクトショップから受け入れられるのは、主催者個人がそれぞれの視点を持ち、様々な角度から意見を交わしつくり上げているからこそだと言える。

話しを聞いていると彼らのゴールは「MONTAGEの成功」だけではなく、「ライフスタイル業界全体を盛り上げる」という大きなミッションだった。だからこそ、予期せぬ時代の変化の中でも突き進む柔軟性とその時代にマッチした世界観が創出できているのかもしれない。

出展者と来場者だけでなく、業界全体に貢献できるような展示会を目指すその姿勢は、近江商人から伝わる三方良しの哲学と通じるものを感じる。合同展示会のような売り手と買い手、それから世間を結びつけるマッチングビジネスには欠かせない精神であることは間違いないだろう。

今回3名の話を伺って、そこに加えてそれぞれの“想い”を乗せた四方良しとなる展示会の姿が想像できた。これからの合同展示会は、出展者、来場者、運営、それぞれの“想い”の強さが業界を動かしていく良い展示会をつくる鍵となるのかもしれない。

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