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合同展示会へ注がれる主催者たちの熱意#02
「合同展示会へ注がれる主催者たちの熱意 #o1」で紹介した合同展示会:MONTAGEと、同日程で開催されていた合同展示会〔 EXTRA PREVIEW #19 @TABLOID〕でも、主催者や出展者から話を聞くことができた。
今回は、合同展示会:EXTRA PREVIEWのこれまでの歩み、合同展示会の様子、主催者の想いと今後の展望を伝えていきたいと思う。
合同展示会:EXTRA PREVIEW(エクストラプレビュー)とは?
EXTRA PREVIEW #19 @TABLOID 開催期間:2019年9月4日(水)~9月6日(金) 会場:TABLOID https://www.extrapreview.com/preview/ 株式会社ハイタイド/株式会社ディテール/村上美術株式会社/株式会社100percent/株式会社チップス/ヨシオグッドリッチデザイン ※EXTRA PREVIEW #19の会期は既に終了しています
6つの企業が主催する〔合同展示会:EXTRA PREVIEW 〕は、まるでセッションのような感覚で市場に新しい価値観を提供し続ける、まったく新しい展示会を目指している。大規模見本市では実現できない、質の高い展示会を目指し、出展社同士が意見やアイデアをぶつけ合い、試行錯誤を繰り返しながら規模を拡大してきた。
志さえあれば、規模の大小にかかわらず、平等に発表できることがEXTRA PREVIEWのもっとも注目すべき点であり、その商品・展示方法は独自性・創造性にあふれている。
合同展示会:MONTAGEでは照明や家具といった大きなインテリア商材・アウトドア商材・グリーン商材を扱うブランドが出展していたのに対し、合同展示会:EXTRA PREVIEWでは、インテリア雑貨商材、アパレル商材、アクセサリー、ステーショナリーなどが多く出展していた。
合同展示会:EXTRA PREVIEWの歩み
合同展示会としてEXTRA PREVIEWを始めたきっかけは?
− 主催者コメント: いちメーカーとしてものづくりをしていく中で、同じような志を持つ独自性・創造性にあふれたメーカーと関わりを持つようになりました。そこで、同志の商品を一緒に発表することで、お互いに切磋琢磨できる環境を作ることになり、それぞれの商品をより魅力的に表現できるのではないか?と始めたのがきっかけです。
2010年9月に11のメーカー・ブランドによる合同展示会としてスタートし、出展者同士が意見やアイデアをぶつけ合い試行錯誤を繰り返しながら少しずつ拡大してきました。今では、おおよそ100のブランドが製品を発表する場となっています。
合同展示会:EXTRA PREVIEWのみどころ
バイヤーやショップスタッフに見ていただきたいところはどこですか?
− 主催者コメント: 満遍なく、全て見ていただきたいですね。今おおよそ100のブランドが出展しているのですが、会場のキャパや商品数は全てを満遍なく見てもストレスなく会場をまわれるちょうど良いボリュームになっています。
合同展示会:EXTRA PREVIEWに出展している企業は、申込みをしていただいた段階で規模の大小やジャンルにとらわれず、デザインや質、作り手の想いなどの詰まったモノであるかを見させていただき、選定させていただいています。なので、ぜひ全てのブースをご覧いただいて来場者のお店に合うものを見つけて欲しいです。
初のBtoCイベント:EXTRA PREVIEW MARKET#1
EXTRA PREVIEW MARKET#1 @B&CHALL 開催期間:2019年7月17日(水)~7月20日(土) 会場:B&CHALL https://www.extrapreview.com/market/ ※EXTRA PREVIEW MARKET#1の会期は既に終了しています
2019年7月に初の試みとして BtoC イベントを開催したと伺いました。
− 主催者コメント: はい、一般のお客様を対象とした〔EXTRA PREVIEW MARKET #1〕を開催しました。BtoB向けの合同展示会: EXTRA PREVIEWに出展しているメーカーのうち約60のブランドや作家から直接商品を買えたり、ワークショップに参加したり、その他にもライブあり、フードありのイベントになりました。
ありがたいことに、予想を超える反響をいただきました。BtoBの展示会は、来場者はHPなどで様々な情報を集めるのが主流ですが、BtoCのイベントでは来場者がSNSを活用して情報を集めたり発信していたりしていて、今後の宣伝PRの方法のツールの変化や、SNSの重要性も再確認する機会になりました。
合同展示会:EXTRA PREVIEWの今後の展望
最後に、今後の展望を教えてください
− 主催者コメント: 実はTABLOIDでの開催が、会場の関係で今回(EXTRA PREVIEW #19)が最後なんです。次回開催は今まで以上に素晴らしいものになるよう、場所も含め実行委員で今構想を練っているところです。また、今回盛況に終わったEXTRA PREVIEW MARKETの次回開催も考えています。
インタビューにお答え頂き、ありがとうございました。
宝探しのような楽しさがある、独特の会場と展示ブース
合同展示会:EXTRA PREVIEWが行われていた会場は、港区の湾岸エリアに位置する複合施設「TABLOID(タブロイド)」。その名の通り、かつては輪転機が轟音をあげ、タブロイド紙が印刷される印刷工場だったビルだ。
4層吹抜けのEVENT SPACEやインダストリアルな内装デザインのOFFICE・STUDIOなどの様々な空間から成るこの建物の内部は、まるで迷路のような少し入り組んだ作りになっていて、会場内を歩き回って様々なブランドと出逢い、魅力的なアイテムを見つけることも面白さのひとつなのではないだろうか。
白い壁とグレーの床の無機質な空間の中、個々のブースはコンパクトでシンプルながらも、それぞれの世界観が表現されていた。
独自性・創造性にあふれたものづくり、志さえあれば、規模の大小にかかわらず、平等に発表できること。そして、作り手同士の切磋琢磨が世の中に新しいうねりを巻き起こしていくこと。その言葉の通り、どのブランドも強い想いとこだわりを持っていることを感じた。
一人でデザインから制作、販売まで全てを手がけているゆえ大量生産はできないが、だからこそ生み出せる想いのこもったアクセサリーや、安価な海外製品の輸入や後継者不足といった要因で低迷している国内の陶磁器の魅力を、今一度多くの人に伝えるべく、窯元と想いを共有して立ち上げられたブランドなど、商品そのものの良さはもちろん、その背景や造り手の想いといったストーリーが伝わってくるのは、 実行委員と出店者の熱意が注がれているからだろう。
情報とモノが溢れる現代において、 それらの中から選ばれ、大切に長く使ってもらうためには、 そういったものが重要なのだ。
メーカー同士が切磋琢磨できる展示会
今回の取材を通して、合同展示会:EXTRA PREVIEWは、セレクトショップバイヤーのみならずメーカー同士もお互いに刺激を受けることのできる展示会だと感じた。
互いの魅力が混じり合い、規模の大小・作り手と売り手といった垣根を越えることで、市場に新しい価値観を提供できる。この考え方は、これからの「売り場・売り方」が、多様化する価値観にどう向き合っていくかということにも通じるのではないだろうか。
最近では、合同展示会:EXTRA PREVIEWに国内のセレクトショップ、アパレルショップの他に海外からも多く来場するそうだ。会場も一新される次回開催も楽しみである。