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合同展示会へ注がれる主催者たちの熱意#01

2019年9月4日(水)~9月6日(金)に開催されたライフスタイルメーカーの合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)へ取材に訪れた。

そこでは、これまでのMONTAGEの歩み、会場での生の声、今後の展望といった合同展示会へ注がれる思意を、主催者から直接話を聞くことができた。今回は、主催者の視点から考える“ 一歩踏み込んだ ”合同展示会の魅力を伝えたい。

合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)とは?

合同展示会:MONTAGE 22nd
開催期間:2019年9月4日(水)~9月6日(金)
会場:TOC有明WEST GOLD20
https://montage-express.jp 
※MONTAGE 22ndの会期は既に終了しています

INIT・efim・BRIDが主催する合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)は、ライフスタイルの多種多様な要素を整え、次のトレンドの創造と発信を行うことがコンセプトのBtoB向け合同展示会だ。インテリア、グリーン、アウトドアのカテゴリーを中心に構成された会場は、セレクトショップをターゲットにしている合同展示会だからこそ、ただ単に商品を並べているだけでなく“そのまま店舗の売場作りの参考にできる”ような演出となっている。

MONTAGE 22nd BRIDのブース
照明やインテリア雑貨が展示されたBRIDのブース
MONTAGE22nd BRIDのブース
男性にも使いやすいデザインのベビーグッズを扱うBRAND : BRID BABY

また、合同展示会:MONTAGEでは展示商品の仕入だけに限らず、イベントやディスプレイに関する相談や、売り場のディレクション等、様々な案件に対しての商談も可能。出展社と来場者の双方にとって、未来の指標となる出会いが期待できる合同展示会である。

今回の出展社は、以前よりもアウトドア関連のアイテムが増えているように感じた。これは昨今のアウトドアインテリアへの需要の高まりからだろう。新規出展ではDIY商材とペット商材、オーガニック関連の商材が加わっていた。

MONTAGE 22nd efimのブース
インテリアの視点から考えられたアウトドア用品を提案するefimのブース

合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)の歩み

合同展示会としてMONTAGEを始めたきっかけは?

− 主催者コメント:もともとライフスタイルメーカーとして営業をしている中で、インテリアや雑貨の枠としては大きな合同展示会ばかり開催されていて、来場者数は多いがそういった場ではメーカーと来場者がゆっくり商談をしたり、商品を魅力的に見せたりすることができないのではないか?と感じたんです。
だから、セグメントをしっかりと分けて、本当に取引をしたいと思うもの同士がゆっくりと話せる場を作りたいと思ったのがきっかけですね。

最初は出展社がわずか10社という小規模の合同展示会から始まり、MONTAGEが求める想いに賛同するメーカーが徐々に増えていき、今回の合同展示会:MONTAGE 22ndでは65社が出展しています。

カテゴリーの融合が生み出す新たな市場

グリーン・インテリア・アウトドアのカテゴリーを融合させた理由は?

− 主催者コメント:インテリアを魅せる時に必要なものとは何か?を考えた時に、グリーンインテリアの流行や、これまでインドアだった人たちも含めたアウトドアの流行を踏まえ、この3つのカテゴリーを合わせることにしました。

MONTAGEに出展しているアウトドア商品の特徴は、アウトドア専門メーカーが作るアウトドア用品ではなくインテリアメーカーが作るアウトドア用品や、インテリア目線のアウトドア用品が主となっていることです。グリーンも同様に、あくまでもセレクトショップに展開することを第一に考えた商品が集まっています。

このように、インテリアを多角度的に捉えてカテゴリーの融合をした結果、部屋の中だけのインテリア空間にとどまらず、その人らしさを形成する“ 暮らし方 ”まで総合的に演出ができる、これまでにない合同展示会になりました。

オーディション制で出展社を決める理由とは?

出展がオーディション制の理由と選考の際に意識していることを教えてください。

− 主催者コメント:出展をオーディション制にしている理由は、来場するバイヤーとメーカーが相思相愛の出会いの場になれるように双方のマッチング率を高めるためです。

重要なのは商品やその見せ方・ディスプレイがMONTAGEの考え方や世界観と合うかどうかで、会社の規模は全く関係ありません。そのため過去の展示会の様子や今回の新商品の見せ方などを、どのように計画しているのかオーディションの際に画像として提出してもらっています。そこでもし、商品が良いのに見せ方が勿体ないと感じたら、ディスプレイ方法の提案やサポート、什器の貸し出しも行っています。

このように出展社と積極的に関わり、共に創り上げることで、展示会全体の世界観を統一したインスタレーションが実現できるのではないでしょうか。

「BIO ROOM」が生み出した新しい風

MONTAGE 21 の"BIO ROOM"
MONTAGE 21stから新たに始まったBIO ROOMの取り組み

2019年に始まった新たな試み“BIO ROOM”が好評だと伺いました。

− 主催者コメント:はい、来場者の声としてはかなり好評でした。これからも続けて欲しいというような声もあり、「BIO」というテーマの注目度の高さがうかがえました。2019年からの新たな取り組みである “BIO ROOM”は、仏語でオーガニック(有機)を意味する「BIO」に、英語の「ROOM」を組み合わせてMONTAGEが創った造語です。グリーン、オーガニック、エコロジー、フェアトレード、エシカルなど様々な言葉で謳われ、求められる行動をMONTAGEでは“BIO ROOM”という表現の基、提案しています。

MONTAGE 22nd BIOROOM
MONTAGE 22nd でも大きな注目を集めていたBIO ROOM

オーガニックというと食べ物や化粧品のイメージに偏ってしまうが、“BIO ROOM”では食べ物や化粧品にとどまらず、自然由来という大きな観点で物事を捉え、土から作られる陶器や、エコを意識したリサイクルプラスチック、オーガニックコットンを使ったハンカチなど大きな枠で「BIO」を提案しています。

今回は、食品・コスメ・ボディケア・石鹸・精油・フレグランスなど、前回以上に多岐に渡って幅を広げました。今後のBIO ROOMの継続についても、出展社と来場者の反応を見て決めていきたいと思っています。

自然由来という観点から捉えた考え方で、化粧品や食品に止まらず様々な「BIO」を提案

BIO ROOMについての過去の記事はこちらから

合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)の今後の展望

最後に、今後の展望を教えてください

− 主催者コメント:現在は出展メーカーやブランドが個々で海外へのアプローチを行っているところもあるんですが、今後は合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)全体としても国内だけにとどまらず、世界に発信して行けるような存在になっていきたいと考えています。

インタビューにお答え頂き、ありがとうございました。

バイヤーとメーカーを繋ぐ展示会

この商品について聞きたいと思えば、ゆっくりと話を聞くことができる

今回の取材を通して、主催者が一つの合同展示会にどれほどの熱を持って取り組んでいるのかを知ることができた。主催者の話で一番印象的なのは「バイヤーとメーカーが相思相愛の出会いの場でありたい」という言葉だ。

出展社と来場者が互いに満足の得られる出会いの場となっている

展示会へ行っても、求めているものがなければ意味がない。求めているものがあっても、話をするのも困難な状況では商談をまとめることも一苦労だ。その点、合同展示会:MONTAGE(モンタージュ)では出展社も来場者も「大切な相手」ととらえた配慮が多く見られる。

合同展示会:MONTAGEの次回開催は2020年2月を予定しているが、すでに次回の開催が楽しみだ。

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